2008年4月19日土曜日

俺の回想録 ≪Part33:思わぬ出来事≫_Reminiscences_unexpected accident_

前回の続きのお話しになります。
私は、建築設計事務所_building drawing office_を辞めて施工技術を勉強したいと思い、直ぐに建築施工会社_building execution company_に就職しました。
その会社は、社長の外に一級建築士の方、現場監督員2人、女性事務員の計4人と、提携している職人達で構成されていました。そこに、二級建築士の私が加わったのです。
私は、入社して3ヶ月程は社内で一級建築士の仕事を手伝い製図作業をしていたのですが、施工現場が忙しくなり監督員が足りなくなったので現場に出るようになったのです。
私が担当する事になった現場は、製茶工場_processed tea factory_の新築工事でした。
私は、以前土木工事現場の設計と管理は経験していたので、建築現場の監督も自分には出来ると安易に思ってしまったのです。
しかし、工事が始まると経験する全てが初めてに思えて、私の経験など微々たるものでした。
建築現場は、材料と職人の種類が多いので作業工程を間違えると大事に至るのです。
私は、入社してしばらくの間は電車で通勤していたのですが、現場を監督する事になり会社から自動車を与えられました。
朝、会社に寄ってから現場へ向かい、現場作業が終わるとそのまま実家に帰宅する生活でしたが、帰宅する車の運転中に1日の作業結果の把握と明日の作業の段取りを考えてしまい、気が付くと実家に着いていて、自分は「何処を走って帰宅したのだろう?」と運転していた時の記憶が無い日もありました。
ある日、それまで現場の外壁工事が遅れていたのですが、遅れを取り戻そうとして大勢の外壁材を貼る職人さんが現場に入って来たのです。
工事が遅れていた理由は、材料会社の現場担当者が個人で処理しようとして出来なくなり、急遽その会社が名古屋から職人を送り込んだのです。
職人達は、外壁を貼る時に使用する定規が足りないと言い、私は現場にいた大工さんに定規を作らせたのです。
私は、大工さんと一緒になって定規を作ろうと電動ノコギリを借りて作業をしていた時でした。
私が木材を切ろうとしていた時に、木材の端を押さえていた人がその木を動かしたのです。
私は、反射的に電動ノコギリを手前に引いてしまい、自分の右足の太股を切ってしまったのです。
普通の電動ノコギリは安全装置が付いているのですが、私が使った電動ノコギリは職人の方が安全装置を取り外して使っていた物だったのです。
私は、咄嗟に首に巻いていたタオルで傷口を押さえると、大工さんに車で近くの病院へ連れて行ってもらいました。
病院_hospital_に着くと、直ぐにベットに寝かせられ血で真っ赤になったズボンが脱がせられないのでハサミで切り裂かれたのです。
傷口は、幅6cm×長さ20cm程に腿肉が切り開いた形になっていました。
そして、その傷に看護婦さんが消毒液を流して、ピンセットの先に付けた脱脂綿で傷口を擦り綺麗にしたのですが、その痛さに涙が出ました。
その時、看護婦_nurse_さんから「男なら、我慢しないと」と言われたのですが、あまりの痛さで反論する言葉が出せませんでした。
その後、医師_doctor_の手で傷口は22針も縫ったのでした。
そして、そのまま病院に2週間入院する事になったのです。
傷の手当てが終わり入院する病室のベットで寝ようとした時、社長が慌てた姿で病室に入って来て「大工が慌てた電話で君が”足を切り落とした”と連絡して来たのでビックリしたよ!それで傷の方はどうなんだ?」と聞かれ、私が事故の様子と傷の程度を説明したらホット安心した様子で帰って行きました。
そして、2週間が過ぎ退院する時に医師_doctor_から「傷があと1ミリ深かったら神経が切れてしまい、貴方は歩行に支障をきたした障害者_handicapped person_になっていたかも知れない」と言われたのです。
退院して、しばらくの間は歩くと傷口は少し傷みましたが、医師_doctor_は”歩いたほうが良い”と言っていたので直ぐに仕事へ復帰しました。
工事現場は、他の社員が監督するようになり、私は社内で設計製図の仕事に戻ったのです。
しかし、小さな会社なので社長と一級建築士の方が設計関係の仕事をしていて、私が手伝う仕事は少なかったのです。
現場担当の者は、人手が足りなくて忙しく働いていたので、私は少しづつ居た堪れない気持ちになってしまい、会社を辞める決心をしたのです。
入社した時、社員の皆さんが良い人達で社内の雰囲気が私は大好きでした。不満は何も有りませんでした。
私は、会社の仕事状況に応えられない自分が満足以上の給料を頂いている事に、毎日心苦しくなっていったのです。
事故の後、2ヶ月が過ぎた頃に私は会社を辞めたのです。
今日のお話しは、ココまでになります。
次回は、Part34:辞めた会社に再就職_Reemployment_のお話しをしたいと思います。

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